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論理トレーニング その1

「論理トレーニング」(野矢茂樹 著)を買ったのは、10年以上前になる。わたしの気まぐれにより、この本は10年もの眠りから覚め、奇跡的に活躍することになった。

わたしは日常的に日本語を使って、考え、話し、書いているが、ある程度込み入った内容になると困ってしまうことが多い。考えが発散する、話が相手に伝わらない、文章が書けない。そこで、論理的に筋道を立て、順序立てて、言葉を連ねることができれば、こうした問題を解決できると思い、この本を買ったのだと思う。

にもかかわらず、10年もの間、一度も手に取ることなく本棚に眠っていたのは原因がある。生半可な覚悟では、この本は読み進むことができないのだ。どういうことか列挙してみる。

  • 大学の講義で使われる教科書のような本である。実際、教科書としての利用を想定しているとも書いてある。ありていに言って、とっつきにくい。
  • 序盤の内容は、「それゆえ」や「しかし」といった接続詞の使い方で、それほど難しいことは言っていない。しかし、代数やプログラム言語と違って、答えが一意に定まる問題ではないため、理論を読んだだけですぐ実用できる内容ではない。
  • そのため、例題や練習問題で、さまざまなケースについてじっくり考察することを読み手に求めている。限りあるパターンを覚えれば、あとは自動的に解決する、といった話ではない。
  • 解答のない練習問題が多い。しかも、解答があるものについても解説はない。(この問題の解決策として、この本の続編「論理トレーニング101題」が出版されている。Amazonのデータでは、論理トレーニングを買った人の42%がこちらも買っている。私も買った)

だいたいこんなところだと思う。まあつまり、学校を卒業して何年も経ち、その間なんとなく過ごしてきた人間には、敷居が高いのだ。しかし、ここ数日、この本につきあってみた実感としては、がんばってついていくだけの価値があると感じている。

まだ第Ⅰ部をやっとこなしただけだが、それでも得たものがある。
今まで、さらっとフィーリングで日本語を利用していたが、どうやら私のフィーリングは当てにならないことが、あらためて分かった。特に、込み入った構造の文章だと、このフィーリングだけでは太刀打ちできない。そんな文章を解きほぐすノウハウが第Ⅰ部では説明されている。具体的には、文章の骨格を見抜き、指示語の指す内容について気を配る。文と文との関係から、大事な主張がどれかを判断する、といった手順を行うための理論とHowToだ。
(小学校の国語の内容みたいだが、わたしは国語の授業をおろそかにしてきた過去がある。情けないけど、こういった内容は新鮮なのだ。)

この本は第IV部まであり、さらに難しい内容を扱うことになるが、がんばって読破したい。幸い今の私は、自由になる時間を持て余していて、さらに根拠のない意欲に燃えている。今このときを逃したら、一生この本を読むことが無い気がする。

今より少しでも、日本語をうまく操れるようになるのなら、ひとつがんばってみようという気になった。

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